静止と移動


二本の足で立つということはその場にとどまるということで、いわば静止画です。
ダンスは動画でなければならないので、移動するには必ず片方の足で立ちもう一方の足を振り出すことが必要です。


中段は左右の脚、下段はボディを示す
赤は重心の位置

静止時の軸(1軸)

静止時、両足で立っている時の中心線です。


左右で言えばその中央、背骨の位置なので判りやすいです 。

前後で言えばボディの中央ですから、背骨の位置より少し前側になります。

人間の身体は凹凸がありますが、あくまで重力線です。




左脚で立った時、右脚で立った時のそれぞれの重心の位置を赤で示す





エクササイズ・・片足で立ってもう片一方を振る、前後左右

移動時の軸(2軸)

左足の上、右足の上の2ウェイとなり、移動とは左右交互繰り返すこと。
大きく動く社交ダンスでは大変重要な概念と考えます。


図はそれぞれの軸線の位置を単純化して表しました。

この時片方の足上に100%のウェイトがかかりサポーティングレッグとなり、他方の足上には0%すなわちフリーレッグとなります。
フリーレッグはサポーティングレッグによって完全にコントロールされ、好きなポジションへと運ぶことが出来ます。

また軸線とは足の上の重力線ですので、ボディ部、胸部もその上にある必要があります。
背骨のようにはっきりと実体としてのものがないので、それぞれの軸感覚を養うことがとても大切になります。

もちろん移動ですからこのコントロールできるポジションを確実に通過させながらも、その位置に停止するのではなく絶えず動き続けることが重要です。

軸足感覚を養うには片足立ちをしてフリーの脚を振るというエクササイズが効果的だと思います。
各30回以上(私は固いので100回)、飽きずに繰り返すことが一番です。
軸感覚が良く分からないという方はそれなりの人に見てもらってアドバイスをもらうのも良い方法だと思います。




重心さえ合えば倒れない


イメージです

回転の軸


これはもう誰が考えても一本の軸上にないと無理でしょう。
図のような変な形でもその一か所ある重心で支えればちゃんと立ちますし回転もします。

理論上100キロの人でも0キロに感じますし、逆に軽量の人でも軸が傾くと体重の何%かが相手にかかりますから重く感じます。

でもつい傾いたり歪んだりしちゃうんで、もうひたすらまっすぐの軸を意識してバレリーナのように練習するしかありません。
その結果として支える筋肉が自然に出来てきます。

ヒールターンは片足で行って下さい。
両足を着いたら回転軸が二本になりますので絶対うまく回れません。






重心と体軸は一致で真っ直ぐバランス


これもバランス

これは倒れる

重心の通過


真っぐの棒に例えると分かり易いのですが、実際には凹凸のある身体は棒のように真っ直ぐではありません。
立っているには身体の重力線が真っ直ぐであれば良いわけです。
下の図のように一方的に傾くとバランスできずに倒れてしまい、コントロール出来ているとは言えません。

シェイプを作って頭部が後方へ行くならボディ部は前方へ出して全体として前後の重さを釣り合わせます。
頭部を左へ持っていくなら、ボディ部は右へ持っていきます。
足の上を通過する時はしっかり立てる(コントロールできる)ようにします。

それでも足の上を外れるといやでも倒れて行き、コントロールしにくくなります。
足の上にある時の重心移動と足を外れて不安定になる時の移動のコントロールをシームレスに行うことが大事になります。

ペアダンスの場合この軸となる線が必ずしも自分だけのものではなく、相手との間に生じる共通の線になりますのでより複雑になります。

だからと言って自分のバランスがなくても良いという訳ではありません。



青線は身体の中心線
黄線は移動時の(左右の)中心軸(足元から鎖骨まで)

  中心軸のとらえ方


移動時の中心軸は左右それぞれの脚部の真上を通過します。
この<左右の中心軸>と<身体の中心線>が重なることはありません。
<左右の中心軸>で2軸と表現される方、これに<身体の中心線>を加えて3軸と表現される方もおられるようです。
ラテンに多い静止しての表現などもありますので、3軸をイメージした方が良いと考えます。
スウェイがかかってもこの軸線は保たれます。






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