重心の移動



中央軸のまま移動 ✖

片足になると内側に倒れてしまう

1軸(中央軸)での移動

ボディの中央軸(背骨の位置)に重心を置いたままだと、動こうとして片足になった瞬間から中央に倒れ込みますので好ましくありません。

バランスを保てないので動くたびに相手に掴まってしまいホールドを崩すだけでなく、曲を待てなくてどんどん早くなってしまいます。

この場合上部が動かないようでいて実は左右に揺れて見えてうるささを感じます。



重心が左右にも移動 〇

肩は水平です

2軸での移動

左の図は左右への軸移動をしながら前進、後退をイメージしたものですがウェーブになっています。

ウェーブはなにも上下方向だけではないということです。

左右に重心が移動することによりサポーティングレッグ(注1)とフリーレッグ(注2)がはっきり認識でき、動きをコントロールできます。

その移動の中間部分を丁寧につないで行くことによって滑らかな移動を行います。

左右に動いていますがこのほうが上体、頭部も安定して自然な動きに見えます。

動くことによって上体が動かなく見えるのが不思議です。

サポーティングレッグが安定すればフリーレッグは文字通りフリーになりますので、イメージするところへ運んでいくことが出来ますし、曲のテンポに合わせることも容易です。

(注1)・・・サポーティングレッグ又はサポーティングフットとも言いますが体重を支える支持脚のことです。移動に伴い左右に切り替わります。ここでは足を指す場合フットと呼び、脚全体を指すニュアンスの時はレッグと呼ばせて頂きます。
(注2)・・・フリーレッグは体重を受けない脚のことです。自由な脚のニュアンスでフリー、動かす意味でムービング、積極的にリードする意味でリーディングとケースバイケースで呼ばせて頂きます。呼称がまだ統一されていないようなので複雑になって申し訳ありません。





ライズ無しのフラットで歩く場合です






面で通過させる














右から左への移動の場合


アウトサイドまで使い切る






ラテンのクカラチャ等の
体重移動

フットワーク

進行方向

フットワークとはフロアーにコンタクトする足の裏の部分の置き方と使い方のことです(ボールルームダンステクニック)

インサイドでしっかり立つ・・・これはとても大事なことです。

垂直の軸もしっかり感じることが出来ますが、インサイドだけを意識し過ぎると内側に倒れ易くなります。

アウトサイドをも感じることによって安定性も出てきますし、動きの幅も出て来ます。

ただアウトに行き過ぎると外側に飛び出す恐れも有ります。

左図は私のイメージするフットワークです。

面での通過

拡大したのが左の図ですが線的な表現ではなく面的に捉えるとしっくりします。

足裏全体で柔らかく受けてから送り出してください。

親指、小指の付け根、踵の3点をポイントに挙げる解説もありますが、同じことを指しているものと思います。

皆さんのそれぞれの感覚で行ってみて下さい。

丁寧に使う

トーで着いたらいきなりヒールに行かないで中間の土踏まずの部分も丁寧に感じます。

女子は高いヒールで大変だと思いますが、重心が足の範囲を通過している時は比較的安定している時ですので、ここの部分の意識が途切れないように大事にして下さい。

前進にも後退にも同じことが言えます。

横方向

横への動きにはアウトサイド&インサイドへの意識が欠かせません。

図のように単純に右から左方向への移動の場合ですが、右足アウトから入ってインへ、左足インからアウトへと順番に重心移動を行うと滑らかに動けます。

インサイドだけで縦に使うのでは前後の動きにしか対応できません。

横への移動や、ましてや回転の動きに対してはアウトサイドの意識が欠かせません。

これはけっこう重要です。

図で示すようにアウトサイドまで使い切ったときは動きの幅が広がることをご理解頂けると思います。

とにかく足裏、足首を柔らかくするエクササイズを行って下さい。
方法はひたすら動かすことです。考えていても柔らかくはなってくれません。




×・・まわったら歪む

○・・連続回転OK




女子はヒールが細い分通過は丁寧に

回転への対応

ターンに強くなる

ダンスではいたるところでターンが有りますので単に直進や後退、横への動きだけではなく回転など複合的な動きが多くあります。

まっすぐの動きは問題なくても回転が入ると途端にギクシャクしてしまいがちですが、そこをいかに滑らかにつなげて行くかもダンスの質を左右する重要な要素の一つです。

片足でなければターンが無理なのは前頁でご理解頂けたと思いますが、どうしても両足を着きながら回ろう、あるいは回そうとしがちです。

両足を着いた状態ではボディはせいぜい1/8回転くらいが限度で、それ以上回すと身体が歪みます。

上体だけを回そうとせずにフットワークを使い、軸を保ちながらそれぞれの進むスペースを作って下さい。

回転量は3/8と少な目ですがワルツナチュラルターン女子の第一歩におけるフットワークを考えてみます。

ボールルームダンステクニックによりますとフットワークはTHとなっています

それを図に表すとこんな感じでしょうか。

Aはアウトサイドで着いた時の膝の向いている方向です。ほぼ逆中央斜めです。

Bはヒールを通過する時の膝の向きです。

Cはインサイドへと抜けて行く時の膝の向きです。

赤色は重心の移動をイメージしています。

トーのアウトサイドから入りますがほとんど5本の指は同時に着いて、ボールからヒールを通過して再びボールからインサイドのトーへと抜けて行きます。

この間フロアに着いた足はNFR(注1)ですのでもちろんズルズル動かしません。足首から腰までの下半身全体で回転を作って行きます。

割に多いのが最初からインサイドに行ってしまいそのまま内側に倒れ込むケースや、一気にヒールに乗ってそこから後方に倒れて行くケースで、これだとコントロール不能でリードを待てません。

ここでしっかりヒールをつき足首で吸収してフロアをとらえるようにすると男子のリードの時間を待つことができます。

繊細な手のひら感覚のように丁寧に行って下さい。

足の外側は普段積極的に使うことがないので内側に比べて動きが悪くなりがちですが、横への動き又は回転には不可欠です。

脚の外側全体、特にくるぶしの外側の意識を今までよりも持てれば格段に動きがスムーズになります。
足指はげんこつに丸めないで”パー”の状態です。

ひとつ注意することはアウトサイドと云っても膝は外に流れないようにしっかり内側に締めておくことです。

いま論じているのは重心の移動についてです。

注1・・NFR(ノー・フット・ライズ)主として後方にステップする時の内側回転で起こり、支え脚のヒールは全体重が次のステップがとられるまでフロアーにコンタクトしている。ライズはボディ及び脚のみで感じる(ボールルームダンステクニック)


○・・同じ脚で中間~中間への移動

×・・足の上毎に止まる

ストローク

1ストローク=1歩とは足を着いた中間地点から次の足を着く中間地点までです。

この間は重心移動が継続されます。

足の真上は通過点ですからそこに落ち着かないで下さい。

まだ後半が残っています。

着いた足の直上でボディが移動しなくなるのでNGです。

脚部の関節を固めると止まってしまいますので、常に柔らかく緩めるようにして下さい。


社交ダンスのあれこれ!
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