釣り合う力
外への力、内への力
丹田を意識する
全体の釣り合い・各部の釣り合い
ミクロの世界からマクロまでこの宇宙にはさまざまなものがバランスして存在しています。
「粒子と反粒子」、「+と-」、「陰と陽」等々大事なもの程目に見えません。
ダンスはストレッチあるのみ・・・常に身体の中心である丹田から四方八方へエネルギーを放射するように各部を伸ばして行きますが、ただ伸ばしっ放しではなくそれと引き合うかたちで中心へ向かうエネルギーも感じてください。
その中心感覚を養うことによって一つの統合された身体としての感覚がより実感できると思います。
そしてそのぶれない中心は身体全体をコントロールし安定させ、また素早く移動させることもできます。
丹田の意識
この中心を捉えるには丹田を意識しながら息を吐く腹式呼吸が絶対的に必要ですが、このことについては”呼吸”の中でもう少し詳しく触れて行きたいと思います。
伸ばそうとして頑張ると息が止まり筋肉が固まって動かなくなり逆効果です。
イソップの”北風と太陽”の話のように呼吸とともに柔らかく力を抜いてあげて下さい。
内外のバランス
混んだフロアだとぶつからない様につい周りに注意が行き過ぎてパートナーやリードなどへの意識が薄くなりがちです。
またリードに気を奪われすぎると周りが見えなくなってしまいます。両方程良く・・・なかなか難しいことで私も上手くコントロールできませんが、これも広い意味での内外のバランス(釣り合い)と言えますね。
腰、ボディ、胸部全て
前後の正中線を締める
前後の釣り合い
身体の中心には上から下まで正中線と呼ばれる一本の縦の線が通っています。
額とかみぞおちとかの人間の急所もこの線上にあります。
背中側も同様にしてこの部分を図のように前後から軽く締める意識があるとスッと立てます。
特に代表的なのがお尻やお腹部分ですね。
男性で云えば背中やお尻が抜けて前のめりになり易いですが、これは女性に覆いかぶさることになりますので重いうえに身動き出来なくて女性からはNGになります。
女性は逆に後ろにシェイプを作ろうとするあまり前側がすっかり抜けてしまって、どんどんバックバランスになりがちです。
コントロールされているのと違ってこれまた男性にとっては重くてNGとなります。
”ちょうどいい”のが一番ですね。
真っ直ぐだと前後の意識の割合は50%ずつですがシェイプをすると若干の出し入れがあります。
例えば後ろが55%、前が45%とかであって、決して100%対0%になる訳ではありません。
左がより進む。右は進むが残す力を働かせる
こんなイメージ
前進、後退の釣り合い
例えばリーディング側である左側が進みたければ、サポーティング側の右を残す意識を感じて下さい。
その結果左と右が同じだけ進むのではなく、常に相反する力が働くのを実感できます。
この辺から自分の説明する能力が足りなくなってきました・・。
進むのと反対側を残す
左右の釣り合い
もし左に移動したければ右側を残すことが必要です。もしそうしなければコントロール出来ずすぐに左足を着いてしまい、そこで動きは止まります。
反対の力を働かせる
上下の釣り合い
ライズするには伸びる力、ロァーするには縮む力を働かせるのは分かり易いですが、それだと伸びっ放し、縮みっ放しで身体のトーンが失われます。各々それに拮抗する反対方向への力の意識が欠かせません。
その拮抗する力の割合を出し入れすることで上にも下にも移動します。
最近、気がついたことですが「身長を計るときの姿勢」がけっこうドンピシャのように思います。
測定時には誰しもお尻やお腹を締めて、みぞおちを引き上げ、顎を引き、とにかく引き上げて良い数値を得ようとします。
このイメージをいつも持っていると良い姿勢がキープできるように感じています。
お試しください。
肩甲骨を意識
丹田まで意識
ホールドの釣り合い
ホールドの腕はどこから・・?
それは肩からではなく肩甲骨からと云うことはもう皆さんご理解頂いていることと思います。
ただこの時広げろ・・と言われたり縮めろ・・と言われたりで・・??なことありませんか。
どちらも正しいと思います。
それは相反する両方の力が存在して釣り合っているからです。
この力によってホールドのテンションが生み出されています。
さらにこの力を丹田へと結び付けたいと思います。
具体的に言うと肩甲骨と骨盤の縦方向の間を縮めて行くことですが、これによって肩も下がるし逆にヒップは上がってきます。
、ボディもテンションが生まれますので、安定して中心からダイレクトでホールドへとパワーが伝わります。
それと肩甲骨と骨盤はそれぞれ手の付け根と脚の付け根であり関連性がありますので、この両者を意識で結ぶとボディが格段に安定します。
この意識はなにも背中側だけでなく身体前面にも必要なことです。
また同様の考え方は下半身にも言えます。
足から腰、丹田へとの意識の伝達は下半身全体にテンションとパワーを与えてくれます。
これによってフロアからのエネルギーは丹田で増幅されて全身へと伝達されます。
上下方向
前後方向
左右方向
足部の釣り合い
足の部分も同様に釣り合う力を感じてください。
禅問答のようになりますが行こうと思ったら残す意識が大切ですし、上げようと思ったら下げてください。
右へ行こうと思ったら左に残してください。
前進の時はサポーティングフットのヒールで押しているはずです。
後退する時は最後にはヒールから抜けますが、途中はト-、ボールで押しています。
これがしっかり行われるほど強いパワーが得られます。
後退時でトーを着いた瞬間もうヒールを通り越していたり、インサイドに乗った途端もう内側に倒れ込んだりのケースが多いので、ていねいに使って下さい。
腰部の釣り合い
すべての箇所においてこの釣り合う力を働かせるわけですがこの大腿~腰部などはパワーを生み出す為の代表的なところではないでしょうか。
リーディングレッグとサポーティングレッグを使うために、脚部はもちろんのことですがその大元である左右の腰部の動きもまた釣り合わなければなりません。
左腰を前進させようとしたら右腰は反対方向に残しておかなければいけません。
左脚を後退させようとしたらサポーティングレッグである右脚は前方に残してください。
その拮抗する力のなか重心の移動によって前や後ろへと移動して行きますが、動力原としての主役はあくまでサポーティング側になります。
この残しておく意識がないとスイスイと勝手に行ってしまい、相手とのテンションがなくなります。
サポーティング側は全体としては進んでいるが、残す意識
中央は仙骨です。
股を前後に割る意識です
軸が右に移動する時左に残す意識
テンション
移動時の釣り合い
もし左側を前進させたければ右側を残すことが必要です。
もしそうしなければコントロール出来ずどんどん前へ倒れ込んで行きます。
サポーティングレッグとリーディングレッグとの釣り合いしかり、腰もそう胸も全てに言えます。
この全身にわたって身体を左右に二分割する感覚により、更なる伸びやかなムーブメントを手にすることが確実にできます。
又、この分割した片一方であるサポーティング側の縦軸に対してもしっかり左右、内外の釣り合いを意識しないと左右にふらつくことになります。
カップルの釣り合い
これまで主に個の身体の釣り合いについて述べて来ましたが、カップルとしてもこの力が必要です。
双方の中心軸に向けて押し合う力、引き合う力の拮抗によってテンションが生まれ、この力の出し入れによって前後左右に移動して行きます。
これについては”カップルとしての調和”の頁でもう少し詳しく説明します。