赤・・下半身、緑・・上半身の動き

CBMとサイドリーディング

CBM

CBM(注1)とはコントラリー・ボディ・ムーブメントの略で”Contrary”すなわち逆とか反対に”とかの意味ですね。

要するにこのかたちは我々が普段歩いている”右足出せば右手は後ろ”のなじみの歩行スタイルです。

慣れているせいか違和感なく動けますし、バランスを取るのに丁度良いですね。

図では赤が下半身、緑が上半身を示していますがボディのあたりが前後反対方向に捻られるようになります。

ただ下を前に振ると上が後ろへ振れるのでちょうどブレーキをかけているようになり、その分素早くは動けないし移動量もやや少なくなります。

例えばタンゴのウォークの一歩めやスローのフェザーステップの3歩目はこれに当たりますね。

コントラチェックはおなじみですがダンスのいろんな動きの中に出てくるこのCBMなくしてダンスは踊れません。

このCBMと後述のサイドリーディングの二つ、そしてこの両者を切り替えるニュートラルポジションの組み合わせで動いて行きます。


(注1)CBM・・ボールルームダンステクニックによりますと”ボディ・アクションのことです。通常、回転を始めるために前方又は後方に動く足の方向に、反対側(支え足側)のボディが起こす回転動作のことです。”とあります。














赤・・下半身、緑・・上半身の動き
同じ方向が動きます

サイドリーディング


以前はショルダーリードと言われてましたが、同じ側の足と手が出て行く動作です

今は手足だけでなくボディでの表現を大切にするために、表記が変更されたのだと理解しています。

昔の日本人はこの歩き方をしていたそうですね。

全く同時に手足に出るのではなく、若干の時間差はあるようですが”なんば”歩きと呼ばれています。

確かに武道などの型に多く残っていますし、飛脚のような長時間の移動には省エネで合理的であったようです。

刀を抜くのにCBMで抜くなど考えられませんし、ボクシングでも渾身のストレートを打つのに同じ側の手足で踏み込むからこそ威力が出るのだと思います。

このように素早く動く、大きく動く時はサイドリーディングが適していると言われています。

ダンスで言うとタンゴのウォーク2歩目やフォックストロットのフェザーステップ2歩目などは代表的な例です。

下半身を使うのと合わせれば大きなムーブメントが得られます。

絵の赤色は腰と足、緑はを上部胸と手を表していますが、伸びやかに見えますね。





左右を割って使う


腰部分は図のように骨盤と言われる左右一対の腸骨とその中間に位置する仙骨の三つの部分から出来ています。

ダンスに限らず腰が柔らかいことは全ての動きにとって不可欠な要素であると言えます。

具体的な部分で言えばその両者をつなぐ仙腸関節の可動域を意識して、左右の腰を分けて動かせるようにすることがポイントでしょう。




右の図は更に単純化してみましたが、この関節が固いと同じような動きでも図のように左右が1枚の板のようになって動きにくくなります。

一方柔軟であれば回転等のの高度な動きにも楽に対応が出来ます。




赤は仙骨、緑は腸骨




×・・全部が固定

○・・各部が自由


移動も楽

次にこれが移動させるとどうなるかを、図のようなイメージで表現してみました。

右がサポーティングレッグで左がムービング(リーディングとも言います)レッグです。

上の図は仙腸関節の動きが悪くてサイドリーディングでAの方向へ進もうとしていても、身体の向きがBの方に向いてしまい合理的ではありませんね。

ましてやCBMのように逆の方向に使う場合はもっと動きが制約されてしまいます。

下の図のように仙腸関節をフレキシブルにすることによって”遊び”を作って行けば、AとBが一致し易くなり無駄な動きが無くなります。

どうすれば柔らかくなるか?・・これはもうひたすら左右の腰を前後に割って動かすエクササイズを行うしかありません。
繰り返しの実行あるのみです。
練習は裏切りません。






仙腸関節が固定
A・・進行方向、B・・身体の向き

仙腸関節が柔軟


さらにこんなイメージ

これはあくまでイメージです。
当然ながら実際はこんなに動きません。


静止時

左前進、又右後退

右前進、又左後退



回転も楽

もし腰が一体で固まっていたら、回転する時にはどうしても動きが緩慢になり易いですよね。

その一方でサポーティング側の腰だけで回る意識だと、単純に言って回転半径 r は1/2となりよりシャープに見えます。

右側で回す意識で左はただそれについて行くようにします。

縦の軸をしっかり意識して腰から動いて、上体や腕で過度にリードしないようにします。

下が動けば上は自然について行きます。





腰全体での回転は動きが緩慢になる


片方の軸で回転するとrは1/2になりキレが良くなる

実は胸も同じ

腰部がある程度柔軟に動くようになりますと、今度は胸部が気になりませんか?
そうなんですよね・・。

左右に肋骨があって後ろ中央に背骨、前に胸骨がある籠のような構造をしていますよね。

学術的なことは分かりませんが経験上で言いますと、固定されているようでいてこれが結構動くんです。

腰程には動きませんが下半身の動きに連動して同じように、又逆にと左右に割った感覚で使えるようになると動きが一段と変わってきますよ。

胸部ががっちりロックされますと折角の下からのエネルギーが有効にホールドに伝わらないし、固い動きになってしまいます。

やはり柔軟に”遊び”が必要な部位です。

私は前の胸骨をより意識して柔軟にするようにしています。

前頁の正中線を締めることにもつながりますし、後述する呼吸にも大きな影響を与えます。


A・・背骨、B・・胸骨、C・・肋骨


正中線を締めながら左右に分けて使う





動く為のエネルギーは下からくる。


CBMやサイドリーディングとは腰や胸のようなボディ本体の動きだということです。

足や腕のような先端部はその結果として動きます。

しかもエネルギーはサポーティングレッグを通して下から来ますので、まず腰がきっちりと役割を果たすことが最重要になります。

分かってはいてもつい腕でリードしたり受けたりしがちですが、やはり順序が逆です。



社交ダンスよもやま話!